概要
車に轢かれそうになっている犬をかばい、交通事故に遭ってしまった桃萌。死を覚悟する桃萌だったが、次に目覚めるとそこは見慣れぬお屋敷で、事故の傷はすっかり癒えてしまっていた。戸惑う桃萌の前に現れたのは「徳松」と名乗る見目麗しい青年。「ここは幕府直属の妖御囲場。妖専門の保護施設です――」 聞けば桃萌が助けた犬は化犬で、妖を助けたことで特別に、妖の力で甦ることができたのだという。どうやらこの世界は、江戸の徳川綱吉時代によく似た異世界らしい。元の世界への帰り方が分からない桃萌は当分の間、人間であることを隠して妖御囲場で働くことに。しかし徳松を含め、妖御囲場の妖は人間を嫌っている者ばかり。中でも妖御囲場のナンバー2である生琉は人間をひどく憎んでいた。その憎悪は桃萌にも向けられ……。